第34章 春高代表決定戦、そのまえ。
「明日、現地集合だからな。時間厳守、忘れモンもなしなー。今日は早めに休めよ。
ハイ、解散。」
「「「あざっしたー!」」」
クロが必要事項を伝え終わると今日は早めに解散。
「みーゆさん!帰りましょー!」
そう言うリエーフと一緒に帰る。
「今日、家行っていいですか?」
『今日はまっすぐ家に帰る!そして早く寝る!』
「はーい…」
しゅんとなるリエーフ。
私はリエーフの手に自分の手を絡め、きゅっと握る。
『今日は、これじゃ…だめ?』
リエーフはその場に立ち止まり少し考えると手を繋いだ方とは反対の手をぎゅっと握ってきた。
「…じゃあ…春高出場決まったらご褒美…ください。」
『仕方ないなぁ…じゃあ、ちゃんと活躍するんだよ?
ちょっと頭下げて?』
リエーフが頭を下げる。
194㎝と153㎝。
40㎝の距離が縮まる。
私はリエーフのさらさらの髪の毛を上に上げるとそっとおでこに唇を寄せた。
『頑張るんだよ?』
「はいっ!」
リエーフからは元気な返事。
私達は手を繋ぎ駅までの道のりをわざとゆっくり歩いた。