第34章 春高代表決定戦、そのまえ。
「そういえば、この前の大会の時山本の妹に会ったよ?」
休憩中ふと思い出し、ドリンクを渡しながら山本に話しかけてみた。
「え!あ…そっ…そうっスか…」
まだ私に慣れてくれないのか山本…
さすがに私も悲しいよ。
「アイツの妹すげーだろ!」
『…と言いますと?ごめんね、やっくん。
私この前の大会、試合終わってから体育館入ったからなにが凄いかわかんない…』
やっくんに苦笑いを向けるとドリンクを受け取りに来たクロがニヤリと笑う。
「まあ、見てのお楽しみ…ってことで。
その方が楽しみが増えるだろ?」
『まあ…そうだけど…』
「この話はおしまいなー。」
クロが話を閉めてしまったからそのあとは聞けずじまい。
そんなもやもやを抱えつつ、とうとう春高代表決定戦前日を迎えた。