第33章 ThankYouForComingToTheWorld
一通りの道具を買い、家に帰る。今日は千景も一緒。
「おじゃましまーす。」
『どうぞー。』
千景も何回か来てるから大体の場所は分かるみたいで教えなくても自分からリビングに進んでいく。
『千景、食べたいものはー?作るよー?』
買ってきたものを部屋に置き、リビングに向かいがてら声をかけると胃に負担にならないやつーと返ってくる。
じゃあ…
『ツナ、コーン、ほうれん草のパスタはー?』
「おっけー。」
返事を聞けば私はすぐにキッチンに向かい、鍋にお湯を沸かしながらフライパンでコーン、ツナ、ほうれん草を炒め、醤油とバターで味付けをする。パスタを茹でる間に、余ったほうれん草と玉ねぎを小さめに切り、水と一緒に行平鍋に投入し和風だしを入れ煮込むパスタが茹で上がったら、そのまま具材の入ったフライパンに投入。
…のところで気がついた。
量がおかしい。
いつもリエーフの分を作ってたからパスタが軽く4人前はありそう。
簡単なレシピだったから何も考えずに作ったらこれだ。
『やらかした…』
「なーにやったのー?」
丁度飲み物を取りに来た千景に声をかけられ事のあらましを説明した。
「それだけリエーフに餌付けしてるのね?」
千景はお腹を抱えて笑ったあとこう言った。
『餌付けじゃないって…でもどうしよう…』
女子2人には食べきれない量が調理されてフライパンの中に鎮座している。
「明日のお弁当にすればー?」
『千影、ナイスアイデア。』
私のお弁当にしよう。
そう思い立ったら調理再開。
行平鍋が沸騰したタイミングで、醤油を投入。味を見たあとに先に溶いていた卵を投入。フワッフワの卵が美味しそう!フライパンに火を入れ直し、パスタに具材を絡めていく。絡まったところで火を止めて盛り付けると、私はお盆にパスタとスープを乗せ、リビングに運んだ。