第33章 ThankYouForComingToTheWorld
『なんか、これだって思うものがないね…』
「確かに…」
ため息をつきながら私はクレープをぱくりと頬張った。ティラミス風味でクリーム増し増しにしたからより美味しい。
「リエーフ、なんか欲しいものとか知らないの?」
千景も自分のクレープを頬張りながら私に聞く。千景はベリー系のクレープを頼んだみたい。
『バレー関係は特に必要なものなさそうだし…強いて言うならTシャツとか?』
「誕生日プレゼントにしてはなんか違う…」
『でしょ?だからって日常よく使う文房具贈るのもなんか違う気がして…』
「服は?」
『好みがあるから下手に選べない。あとサイズが…』
「一般人と違うからね…」
ため息をつきつつクレープを口に運ぶ。
身につけられるもの
常に持っていられるもの…
『やっぱり…アクセサリーかな…』
「でも今まで見たところのは気に入らなかったんでしょ?」
そうなんだよなぁ…
スマホでアクセサリーについて少しだけ調べると気になるものが出てくる。
あれ?これ…
『千景…これ、どうかな?』
私のスマホの画面を見ると千景はおーと声を上げた。
「いーんじゃない?じゃあお店行ってみるよー。」
『はーい。』
私はスマホをポケットにしまうと急いでクレープを口に放り込み千景と一緒にお店に急いだ。