第32章 待てのあとにはご褒美を。
『リエーフのお腹おかしい。』
「高校生男子なら普通っすよ。」
『私さー、さっきのラーメン屋さんで替え玉3つくらい頼んでたのを見たような気がするんだけど…』
「はい!でも腹減ったんっす!」
『胃袋にブラックホールでもあるの…?』
お腹が空いたというリエーフのために、少しでも胃に負担のないように雑炊を作る私の後ろ。背中にぺたりと張り付きながらリエーフはぽつりとつぶやく。
「だって、むっちゃ動いたんですもん。」
耳元で、「美優さん可愛くていっぱいシちゃったし。」なんて言われてしまい、同様で手元が狂う。
『ああっ!お出汁入れすぎた!』
「少しくらい味濃くても大丈夫っすよー。」
いやいや、そういう問題じゃあないんだけど…
ご飯と椎茸、ほうれん草がくつくつといい音を奏でる。
味見をしたあと、申し訳程度にみりんと醤油をいれ、かき混ぜる。沸騰したタイミングで先に解きほぐしていた卵を流し入れ、蓋をする。そのまま蓋を閉め、ゆっくり火を落とす。卵が固まるまで少しだけ待てば完成。
リエーフにどんぶりを持ってきてもらい、雑炊を盛る。
スプーンを渡したらリエーフはニコニコと笑いながら私を引き連れてリビングに移動する。
『もー…洗い物…』
「後で俺やりますよー。」
そう言いリエーフはソファに座り、私を足の上に乗せてご飯を食べ始めた。