第32章 待てのあとにはご褒美を。
私はこの状態のリエーフに弱い。鋭いエメラルドに射抜かれるとどうしたらいいのかわからなくなる。
『恥ずかしい…』
そう呟けば、リエーフは私の手を取りぐっと体の距離を縮めてくる。
「恥ずかしがる美優さん…かわいい。」
そう言い、手のひらに吸い付くリエーフが綺麗で格好良くて、好き…だなぁなんて思っていたら、リエーフの唇は手のひらから指先へと移動する。ねろり、と指先を舐めるアカ。指先からまた手のひらに戻る。
丁寧に、丁寧に、音を立てながら舐られる左手。
ぞくり、ぞくりと指から伝う快感がたまらなくもどかしい
『リエーフ…ゆび、ふやけちゃう… 』
そう、リエーフにつぶやけばリエーフは笑って薬指をぱくりと口に含んだ。かりりと指先を噛みながらリエーフはぽつりと呟いた。
「ふやふやに蕩けて俺なしじゃいられなくなって?」
そんなの…
『もう…なってる。もう、リエーフなしじゃダメになっちゃう。』
大好きなんだもん。
リエーフがいなかったら私きっと、息もできない。
リエーフが隣にいるだけで毎日が充実してるの。
それがすごく嬉しい。
『離さないでね?私のこと。』
そう、私が呟けばリエーフがにこりと微笑んだ。
そして、ぎゅっと隙間がないくらい抱きしめ合うと、優しい唇がふわりと重なった。