第31章 たたかい。
大会が終わり、現地で解散になった男子バレー部。
『なぜ私は男バレの打ち上げに混ざってるんでしょう。』
「リエーフが無理やり引っ張ってきた…から?」
『まあ、正解ですね。けんまさん。』
「だって美優さんも一緒の方が楽しいんですもん!」
いや、私試験終わり。まあ、ラーメンおいしいからいいけど…
「美優、試験どうだった?」
クロは替玉を受け取りながら私に話を振る。
『作文に面接。落とされることはないと思うけど。…なに?リエーフ。』
さっきから私の食べるラーメンをじっと見てくるリエーフ。
「美優さん食べてるの、うまそーだなーって。」
私の食べているのも食べたいってことね?それを聞いた私は、レンゲに麺、コーン、スープを入れ、リエーフに渡す。
『はいリエーフ。塩バターコーン。』
「やった!あーん!」
大きく口を開けたリエーフは箸を使わず直接レンゲから麺とスープをすする。
「美優さんも食べます?醤油。」
『じゃあスープだけちょっと。』
リエーフは私のレンゲでスープをすくうとそのまま私に返してくれた。スープを口に含むとくどくないあっさりした醤油が口の中に広がった。
『うん。おいしい。』
「はーい。そろそろいちゃつくの禁止ー!」
見るに見かねたらしいクロが私達にちょっかいを出す。
『いちゃついてませんー!』
「これ以上いちゃつくんなら美優に替玉頼むぞ。替玉も残さず食えよ?」
ニヤリと笑うクロ。
現役運動部のみんなと違ってさすがに替玉は無理…
私は静かに自分の分のラーメンの続きを食べ始めた。