第3章 嘘だ、私は信じない。
6月末。
男子バレー部は、インハイ予選は東京都ベスト8で幕を閉じた。
3年生は春高に出るんだって言って全員引退せずに部活を続けるらしい。
私も応援がしたい一心で部活に居座ることを顧問に伝え、許可を取った。
中間テストが終わり、テスト休みだった部活も解禁。
久々に私も調理室で”部活”をしていた時のこと。
今日の差し入れはおにぎりと豚汁。豚汁はあとは差し入れる直前にあっためるだけだし、ご飯は炊けるまで時間がある。今日使う食器も一通り洗い終わった。
余った時間で勉強でもしようか。
そう思った時、廊下からバタバタと走る音が聞こえた。
…と思ったら勢いよく調理室の扉が開く。
「みゆさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあん!」
『っ!リエーフストップ!埃立つ!』
案の定リエーフが勢いよく走り込んできたけれど、せっかく作ったご飯に埃が入るのは嫌だからその場に静止させ豚汁に蓋をするが、
それをしている間もリエーフは何かを言いたそうにうずうずしている。
鍋に蓋をかけてリエーフの前に駆け寄れば、湧き上がる嬉しさを堪えるように拳を固く握っている。
『リエーフどうしたの?』
下から覗き込むと同時に勢いよく両手を掴まれた私はビックリして肩を跳ねさせる。
「俺…俺……………レギュラー入りしました‼︎‼︎‼︎」