第31章 たたかい。
『おはよ、リエーフ?』
「おはようございます。」
『まだ眠そう。今日春高予選だよ?』
「美優さん、時間大丈夫ですか?」
『うん。大丈夫。リエーフも準備しなよ?』
「はーい。」
『試験終わったら体育館行くね?』
「まじすか⁉︎待ってます‼︎それまで勝ち続けます‼︎」
『がんばってね?じゃあ電話切るよ?』
「はーい。」
リエーフにモーニングコール。
電話を切ると、身支度をし家を出た。
首にはチェーンに通した指輪。
ハンカチに香るお揃いのフレグランス。
さあ、私なりの「たたかい」をはじめよう。
それが終わったらあの笑顔に癒されに行こう。
リエーフも頑張ってると思ったら自然と足取りは軽やかでなんでも頑張れそう。
そうして私は、調理師学校の試験会場の門をくぐった。