第30章 私の…嫌いな人。
side灰羽
「ふう…」
あの後、美優さんは泣きながら俺に抱かれた。
俺は流れ出す涙を、指で、唇で、舌で何度もなんども拭い取った。
好きだと
愛してると
何度も伝えた。
手を絡め、強く抱きしめ
何度も何度も唇を重ね
なんどもなんども身体を重ねた。
何度イかせただろう。
途中から数えなかった。
何度目かの絶頂の後、美優さんはそのまま気を失うように眠った。
頬は涙でカサカサで目元は泣きすぎて真っ赤。
俺はそんな美優さんの目元に唇を落とした。
「美優さん…俺はいつでも美優さんのそばにいますよ。」
きしり
ベッドを軋ませながら降りると俺は部屋を出た。