第30章 私の…嫌いな人。
「嫌いになんてなりませんっ…好きですっ!好きです美優さん!」
リエーフの腕は、力強く私を抱きしめた。
『リエーフ…?』
「はい。」
『リエーフ?』
「何ですか?美優さん。」
『すき』
「俺も好きです」
『好き…リエーフ』
「俺も美優さんが好きです。」
ぷつん、と張り詰めていた糸が切れた。
ぽろり
ぽろりと溢れ出た涙は、
どんどん溢れ止まらなくなった。
『ぎゅってして?リエーフ…』
隙間もないくらい強く抱きしめて。
『名前を呼んで?』
私がここにいることを証明して。
『好きって言って?』
愛されていると感じさせて?
『あいして?ココロもカラダも』
リエーフ全部で私を愛して?
私が必要だって感じさせて…
ふいに触れた唇は涙でしょっぱくて、
でも、リエーフの「すき」で
甘く、あまく
私をとろとろに溶かした。