第29章 Resulting in Punishment
『ひゃっ!』
するりと太ももを撫でられる感触。
多分…指?
今度は首
頬
どこから触られるかわからない不安から体がこわばる。
不意に感じる、耳元に濡れた感触。
今度は舌が耳を這う。
くちゅり、くちゅりと水音が耳に直接響いてくる。
見えない分いつもより音に敏感になっているようで身体が怖いくらい跳ねる。
『やっ…リエーフ…怖い』
リエーフの気配は感じるのに
見えない
声が、息遣いが聞こえない
身じろぐたびに聞こえるのは
衣擦れと鎖の音
寂しい
寂しくて怖い
見えないことも厭わずに膝立ちになり、前を探る。
腕を動かすたびに鎖がガチャガチャと音を立てる。
『やだっ…リエーフ…返事してよ…』
布は涙を吸い、ひやりと冷たい。
『もうやぁ…』
いつの間にか私は子供のように泣きじゃくっていた。
『りえーふっ…りえ…ふ…』
涙が
身体の震えが止まらない。
『怖いよ…ぎゅってしてよ…リエーフ…』
声が聞きたい
ぎゅって抱きしめて欲しい
ベッドにぺたりと座り込むと私は顔を覆いながら泣き出した。
「美優さん、ここにいるよ?」