第2章 これはデートじゃない。買い出しだ。
備品の買い出しを終えた後も、私達はお店を見たりお腹が空いたら軽食を食べたりしてあっと言う間に1日が過ぎた。
「楽しかったっすねー!」
『うん!たのしかった。』
駅までの道をふらふらと歩きながらリエーフと話をする。
結局手は繋ぎっぱなし。最近は気兼ねなく好きなものを見たりすることすらしてなかったから本当に楽しかった。
『今日楽しかったから帰りたくないなー。』
冗談のように軽く言った言葉。
本心、だけど本気にしなくてもいい言葉。
だからこんな風な言葉が返ってくるなんて思わなかった。
「じゃあ、家まで送りますよ?」
改札の前でリエーフが言った言葉に、思わず顔を上げる。
かたたん、と遠くから電車が近づく音が聞こえた気がした。