第28章 音駒高校文化祭2日目!
階段の上から降りてきたのはリエーフ。
『リエーフ。』
「こいつら何なんスか?」
近づいてくるリエーフ。踊り場に降りると、周りのモブ野郎たちがビビる。
そりゃあ見た目外人だし?(中身生粋の日本人だけど)
身長高いし?
パンク系の格好だし?(コスプレだけど)
初見の人はそりゃあビビる。
『ナンパ…的な?』
「ほっぺ赤いっすよ?」
『こいつにクソアマって言われて殴られた。』
「1人うずくまってますけど?」
『うざったかったから私が蹴り潰した。』
「他に何かされましたか?」
『服の上からおっぱい揉まれた。』
「いろいろ言いたいことはありますか…これ以上女子の被害者増やさないように踏み潰しますか。」
リエーフは口元だけを笑みに変え、モブ野郎達を威嚇する。
モブ野郎2人は、ヒッと声を上げると慌てて階段を降りて行った。
『1人忘れてるよー。』
まあいっか。
なんて考えていたら、私はリエーフに手を引かれ、階段を登りきると一番近くにある音楽準備室に連れ込まれる。
『…リエーフ?』
リエーフが後ろ手でドアを閉めると薄暗くなる室内。
一歩一歩近づいてくるリエーフの表情が見えないから怖い。
もしかして…おっぱい揉まれたの怒って…る?
「美優さん…」
ぎゅっといつもより強めに抱きしめられた。
「あー心配したー!美優さんになんかあったらどうしようって思って…あ、なんかあったか。」
『怒って…ないの?』
「勝手に胸触らせたのは嫌です。」
不安で問いかけると、ぷくっと頬を膨らませ拗ねた口調。
「絡まれた時は1人で解決しようとしないで周りに頼ってください!」
そういうと私の左頬にそっと手を添えた。
「赤くなってる…」
頬をなぞる指は少しだけひんやりしていて、少しだけ熱を持った私の頬を冷やした。
『リエーフの手、気持ちいい。』
リエーフの手に頬を摺り寄せると、リエーフは反対の頬にちゅっとリップ音を響かせながら唇を寄せた。
「あんまり心配させないでください。」
『ごめん…』
私が謝るとリエーフは私に向かってにこりと笑い私に手を伸ばした。
「じゃあ行きましょう?文化祭!」
扉をガラリと開け放つと私達は手をつないで騒がしい校舎に走り出した。