第28章 音駒高校文化祭2日目!
「メイドの美優さん、今日のオススメは?」
ぼーっとしていると赤葦に声をかけられ、慌てて対応する。
『えっ…と、作りたてはスコーン。今朝焼きたて。あとはガトーショコラもオススメ。昨日夕方作って寝かせておいたからしっとりしてると思う。シフォンケーキもフワッフワになるように作ったよ?持ち帰り品も、ブラウニーは甘さ控えめ、バターひかえめだし、クッキーはサクサクになるように色々配合考えたし、マフィンは米粉使ってしっかりした生地だけどふわふわになるように必死に配合変えて…ってなんでガン見?』
赤葦は疑い…いや、呆れた顔で私を見てる。
「美優さん…このメニューの品。ほとんど美優さんが作ったんですか?」
『うん。ガトーショコラ以外は全部私が。』
そういうと目をキラキラさせて驚く木兎。でも赤葦は正反対の苦い顔。
「マジで?すげー!」
「美優さん。馬鹿なんですか?」
賛辞と罵倒。こちらも正反対。
「あかーし、なんでだよ。美優、1人でむっちゃ作ったんだろ?すげーじゃん!あ、俺シフォンケーキ3種類全制覇!あとスコーンな?」
あとはアイスのミルクティーと注文する木兎。とりあえず超特急で仕上げてもらうとして…
「俺はガトーショコラとシフォンケーキのココアで。言い方変えますね?このお菓子、店で出すんだから作った数1つや2つじゃないですよね?」
それ以外にアイスティを注文する赤葦。
『まあ、人数見越して2、30個ずつ…』
「体の心配してるんですよ。確かにこの量作るのはすごいです。でも、明らかに体調の悪さを化粧で隠してる。そりゃあ心配になりますよ…」
そっと手を取られ見つめられる。
『赤葦…』