第26章 文化祭、問題発生⁈
私とリエーフは、昼休みが終わるギリギリに保健室に駆け込んだ。
保健室の先生は私とリエーフから話を聞くと、すぐに先生を呼んでくれた。
「失礼します……椎名…」
『マサちゃん…』
マサちゃんは私の顔を見ると苦々しい顔でため息を吐く。
「ケンカ吹っかけてんだから返ってくることくらい予想しろ…それ見せてみろ」
マサちゃんは私が腕に抱きしめていたジャージを受け取ると床に綺麗に広げた。ジャージは、いたるところにハサミが入り見るも無残な状態。さらに、土や泥で汚れていて、修復は不可能だった。
「くそ…」
「これは…」
「やりすぎだろ…これは…」
改めてボロボロのジャージを見ると悔しくて涙が溢れる。それを見たリエーフはそっと私の手を握った。
「センセー。これやった奴らの動画撮ったよ。これ、データ渡そうか?」
「ちょっと見せろ…ってお前1年のバレー部か。なんで…」
「俺、目撃者ってやつ。あと、俺いないと美優さんまた泣いちゃうし。」
そういうとリエーフは私の背中から抱きついてくる。
「あー、はいはい。ほら、動画見せろ。」
マサちゃんはリエーフから携帯を受け取ると動画を確認する。
「ばっちり顔写ってるしあらかたやってることも写ってる。これで停学免れねーだろうな。」
ジャージも写真撮っておくぞーと言われたので私は頷く。写真を撮ったマサちゃんは私の方を見る。
「さて、どうする。』
『どーする…って?』
「こいつらの処分だよ。こいつらのやったことは決していいこととはいえねえ。でも仮にも受験生だ。この先の人生にも関わる。」
人生…
そっか。
どす黒い感情が渦巻いた。
このままどん底まで叩き落としてやろうか。
人生台無しにしてやろうか。
きゅっと私の手が握られた。
横を見るとやっぱりリエーフ。
許せない。だからって自分の気持ちのまま攻撃すれば私もあの子達と一緒。