第26章 文化祭、問題発生⁈
背筋がぞわりとした。
校舎裏…
確かあそこって今は使っていないけれど焼却炉があった気がする。
気づいたときには走っていた。
昼休みだからか廊下にはたくさんの人がいた。
何人かにぶつかったけどろくに謝りもせずに走った。
息を切らしながら到着した校舎裏。普段は誰もこない場所なのに今日はやけにうるさい。下品な笑い声に混じり聞こえてくる声に耳をそばだてる。
「あいつのせいであたしらのけ者じゃん。」
「まじでうざい。椎名。」
「クラスの奴らもバカだよねー。お菓子作れますって家庭的な女アピールに引っかかってさー。」
「バレー部にも餌付けしてるみたいよ?」
「うわー。ありえねー。」
「まじキモい。学校来なくなればいいのに。」
それと一緒に聞こえるハサミが布を切る音に私は耐えられなかった。
『何してるの?』
びくりと3人の肩が大きく跳ねた。振り返り私が1人で来たことがわかると3人はにやりと笑う。
「お前のせいであたしらクラスからハブられてんだからな。」
『そんなの私には関係ない。ジャージ返してよ。』
「きめえんだよ!地味女!」
そう言い私のジャージは彼女達の足元に捨てるように放られた。拾おうと手を伸ばすと、それより早く彼女らの足がジャージを踏みつける。
石と砂と泥で汚れていくジャージ。
頑張って頑張って手に入れた私の居場所。
親に屑だと言われた私でも受け入れてくれた。
バレー部のみんなが受け入れてくれたからこそもらえたジャージ。
このジャージは私があの暖かい場所ににいていいって思わせてくれたもの。
なんで
なんでこんな奴らに汚されてるんだろう。
私はジャージに伸ばした手を自分の方に戻すとジャージしか目に入っていない3人に向かってこぶしを振り上げていた。