第25章 音駒高校文化祭準備編!
とりあえず、喫茶店はお菓子メインにすることで決定。飲み物はペットボトルかスティックタイプのお湯を注ぐやつに決まった。
とりあえず家で試作品作って持って行こう。
さて、何作ろうかなぁ。
クッキー、カップケーキ、ロールケーキにスコーン。
パウンドケーキにブラウニー。
おっと、マドレーヌを忘れてた。
あとは味を何種類かってところかな?
なんてがりがりノートに書いてたらいつの間にか目の前にクラスの女子。確か演劇部の子だったような…
『どうしたの?』
「あの、メイド服の採寸、させてもらっていい?」
おっとそうだった。採寸するって言ってたの忘れてた。
『待たせてごめんね?えっと…」
「あ、真響です。荒垣真響(あらがきまゆら)。」
『真響ちゃん…って呼んでもいい?』
「いいよ、よろしくね?椎名さんの衣装は私が作ることになってるの。かわいいの作るね?」
『ひたすら地味なのがいいんだけど…』
「それは私が認めないよ。腕によりをかけて最高のもの作るよ!」
真響ちゃん、目が輝いてる。好きなんだろうなぁ。服を作るのが。
真響ちゃんはメジャーで様々な場所を図り、ルーズリーフに記入していく。
「よし、できたよー!」
しゅるりとメジャーを戻す様はまるで職人。眼鏡の奥の瞳が輝いている。
『楽しみにしてるね?真響ちゃん。」
「私も、椎名さんのお菓子、楽しみにしてるね?去年の文化祭でも作ってたでしょ?家庭科部で。あの時から椎名さんのお菓子のファンなの。」
去年は部費のために廊下の一部でスイーツ販売したんだったなぁ。
懐かしい。
にこりと笑う笑顔がかわいい。やっぱり女の子の笑顔はいいね。
最近男子ばっかり相手にしてたからこの空気感がたまらない。
今度お菓子を持ってくることを約束し、私達は係の仕事に戻っていった。