第22章 Just be staring into your eyes
side灰羽
きしり
寝返りを打ちベッドのスプリングが軋む音に顔を上げると美優さんの可愛い寝顔。
『りえーふ…』
寝言を聞いたツッキーはふうと息を吐いた。
「僕が何しても美優さんはキミのことしか見てない…そんなことわかってる。でも…好きなんだ。」
床に腰を下ろし膝を抱えるツッキー。泣きそうな顔をしてたから頭を撫でてみた。
「何…男に頭撫でられても嬉しくもなんともないんだケド…」
「あ、ゴメン。つか、ツッキー髪の毛ふわふわなんだな。」
謝ったけど髪の毛が気持ちよくて手を止めずに撫でる。
なんだろう…誰かに似てる…
「あー…美優さんに似てるんだ…」
そうだ。
このふわふわな髪の毛。
力任せに扱ったら壊れてしまいそうな脆さ。
最初に会った時の不安そうな瞳。
そっか…
ツッキーって、美優さんに似てるんだ。
そう思ったら俺は心に燻らせたままでいた言葉を呟いていた。