第22章 Just be staring into your eyes
side灰羽
美優さんのナカがきゅう、と締まる。甘い声を上げ、体を震わせた美優さんの体からくてんと力が抜けた。
「美優さん…?」
顔を上げればツッキーに寄りかかりすうすうと寝息を立てる美優さんが目に入る。ゆっくりと指を引き抜けば小さく身じろぎはしたが意識が浮上することはない。
「意識…なくしたみたい。美優さん寝かせるよ。」
乱れたシーツをできるだけ綺麗に敷きなおし、その上にツッキーが美優さんを寝かせた。
「ちょっとタオル絞ってくる。」
身体中ベタベタの美優さんをそのままにしたくなくて風呂に向かい、洗面器に暖かいお湯を張る。それと新しいタオルを2枚手に取ると、洗面器に張ったお湯をこぼさないように部屋まで戻った。
「俺、濡れたやつで拭くからその後乾いたやつで拭いて?」
「了解。」
お湯でタオルを絞ると仰向けの美優さんの体を丁寧に拭いていく。
絞り直して次は背中。体を拭いている最中、ツッキーが口を開いた。
「ねえ、何時から聞いてたの?」
「えっと…ツッキーが俺とツッキーどっちがいいって聞いた時らへんかな?」
「結構前じゃん…っていうか全部シたんじゃないの?」
「あー…いいとこまで行ったんだけど、女の子の日になっちゃって…」
「うわ…タイミング悪…で、その後は?」
ツッキーむっちゃしかめっ面だし…
全身を拭き終えた俺達は美優さんをベッドに寝かせ、タオルケットを掛けてあげる。
「美優さん泊まらせてくれても勉強勉強でそういう雰囲気にしてくれないし、寝る時も抱きつくと安心した顔して寝てるし…美優さんハジメテだからむやみに襲ってトラウマとか嫌だし…」
「だったら奪っとけばよかった…」
ふうとため息をつきながらツッキーが言うからちょっとムッとした顔をした。
「ツッキーにはあげない…」
「じゃあなんで…」
早めに割り込んでこなかったのか。そう聞かれるのはわかっている。でも、その理由は自分でもわからない。
「わかんない…でも、美優さんが少しでもツッキーの方がいいとか言ったら俺、部屋に入ってこれなかったかも。」
自分が情けなくて、それでも笑う。きっと上手くは笑えていないんだろう。