第21章 まだまだ夏休みは終わらない!〜第3体育館組、集合〜
私達はウォータースライダーに乗ったり、浮き輪を借りて私が浮き輪に乗って横を蛍とリエーフが周りからガードするかのように捕まって浮かんでたりと…まあ、とりあえず楽しんだ。
リエーフのテンションがいつもより高い…
ウォータースライダーなんて…リエーフ、途中で混ざってきた木兎、クロの3人と乗ったから体力の限界。
ヘトヘトになって戻ると赤葦にスポーツドリンクを渡される。
『ありがと。』
「2人は?」
『リエーフが蛍引っ張ってった。』
「じゃあ2人きりですね…」
ペットボトルから飲み物を飲んでいれば色気を含んだ瞳で見つめられる。
『赤葦まで…冗談やめて…』
照れて下を向くと、赤葦はトントンと自分の横を指差す。私は指刺された赤葦の隣に素直に座った。
「美優さん、なんで名前で呼んでくれないんですか?」
そういえばずっと名字呼びですよねなんて言われてそういえば考えるが明確な答えは出てこない。
『最初に名字で呼んだから…かな?』
「名前で呼んでくださいよ…京治って…」
『けい…じ?』
赤葦は少し考え込むような顔をすると私に向き合う。
「いいな…名前呼びだけで照れる美優さん。」
カシャリと写真を撮る音がして今の顔の写真を撮られたことに気づくとさらに顔を赤く染めた私は赤葦の携帯をうばおうと躍起になっている。
『それ消して!赤葦!』
「夏の思い出ってやつですよ。永久保存で。」
『あーかーあーしー!』
「お前ら…なにやってんだ?」
クロと木兎が遊び疲れて帰ってくるまで取っ組み合い…と言いますか…
膝立ちになりながら必死でスマホに手を伸ばす私、それを阻止するため両手で私の手首を拘束する赤葦っていう構図になっていることに気づく。はたから見ればカップルの痴話喧嘩になっていることに気づいた私は勢いよく赤葦から離れた。
「なんか…皆さんか美優さんにハマる気持ちがわかりました。」
いつもと変わらない表情でさらりと言う赤葦の頭をかるく小突き、私はセクハラと呟いた。
リエーフ達に見られなくてよかった。