第21章 まだまだ夏休みは終わらない!〜第3体育館組、集合〜
1度乗り換えをして、大宮駅に着いたのは蛍の到着時間の15分前。蛍に着いたことを知らせると、蛍から問題発言が飛び出た。
『朝ご飯…食べてないだと…』
私のスマホを覗き込んだリエーフがつぶやく。
「ツッキー朝飯食ってないんすか?」
『らしい…リエーフ、私買ってくるからそこで待ってて?』
「おっけーっす!美優さん気をつけて!」
私がいるのはディラ大宮。おにぎりを求め、通路をまっすぐ進むとふと、右手側にチーズケーキ専門店が見える。
よし、買おう。
列に並び1人2つ計6つ購入し、また走る。まっすぐ進むとおにぎり専門店で、鮭おにぎり、卵焼き、唐揚げのセットを購入するとそのまま先ほどきた通路を逆走。
スマホの振動で電話が来ていることに気づきカバンからスマホを取り出すと、着信、月島蛍。
『もしもし!』
「あ、今降りました。」
『北改札…新幹線何号車だった?』
「14号車です。」
『だったら近くのエスカレーター降りてきて?改札前にリエーフいるから。』
「了解です。」
『1回切るよ?』
喋りながら私は改札に近づく。
『リエ…』
改札前で待ってもらっていたリエーフさん、女の子に声かけられてるよ…ハーフで美形だし、身長高いから目立つもんね…
ちなみに今日のリエーフさん。
白無地のお尻が隠れるくらいのロングTに黒のスキニーパンツ。音駒のみんなと出かけた時に履いていたサンダルを履いている。
カバンはいつものドラムタイプのものを今日は斜めがけにしてる。
遠目から見ても格好良い。
じっと見ている私を見つけたらしいリエーフ、ぱあぁっと何時もの人懐こい笑顔になりこちらに近づいて来た。
『女の子…いいの…?』
「ナンパとか興味ないし。っていうか美優さんの方がかわいい。ツッキーから連絡来た?」
さらりと嬉しいことを言われて嬉しい…
『うん。今、こっちきてる最中…ってあれじゃない?』
改札に向かってくる人混みの中に頭一つ分抜きんでたお月様の色した髪の毛の少年を見つけると、リエーフがその場から蛍の名前を呼び、手を振った。