第21章 まだまだ夏休みは終わらない!〜第3体育館組、集合〜
朝ご飯を食べ終わると、リエーフが洗い物をしてくれるというので、お言葉に甘えて私は自室に戻る。
クローゼットから出したのは、ふわふわのレースがついた生成りのフィッシュテールのキャミワンピと半袖のショート丈のデニムシャツ。一目惚れしたワンピースに袖を通すだけで気持ちが上向きになる。デニムシャツの両方の裾を可愛く縛れば出来上がり。
髪の毛はサイド低めにレースのシュシュでまとめた。今日はメイクはなし。グロスのみ。日焼け止めを塗って、鞄にしまう。
今日のバッグはストライプの大きめのトートバッグ。その中に、リエーフと最初に出かけた時に使った皮のショルダーバッグを入れて、バッグインバッグの代わりに。
お財布OK、ペンギン印の電子マネーカードOK、着替えOK、日焼け止めOK…
あとは…
なんて考えてたらお皿を洗い終わったリエーフが部屋に入ってきた。
『あ、リエーフありがとね?』
「美優さん…今日も可愛いっすね!」
どストレートの褒め言葉に少しだけこそばゆさを感じる。
「じゃあ、俺も着替えますね?」
そういうとリエーフが普通に服を脱ぎ始めたので慌ててリエーフに背中を向けた。充電器からスマホを抜くと、メッセージが来ていることを知らせる通知が画面に表示される。
月島:少し早いですが…そろそろ乗ります。
蛍に返事をし、時計を見ると7時15分。
『蛍、新幹線そろそろみたいよ?』
「ツッキー寝坊しなかったんすね。」
『蛍はさすがに寝坊しないと思う…』
リエーフ着替え終わったのか、私を呼んだ。振り返ればリエーフの手の中には見覚えのあるボトルが握られている。
「今日は美優さんも!」
私が手首を出すと、リエーフが水色のボトルのノズルをプッシュする。それを反対の手首に刷り込めばふわりといい香りが鼻をくすぐった。
『準備できたら行こっか?』
「はい。」
玄関に向かうと私は、靴箱からリボンモチーフで足首にベルトがついたヒールが高めのサンダルを取り出し、履く。
家の鍵をかけるとどちらともなく手を繋ぎ、駅まで歩き出した。