第20章 夏休みは始まったばかり!
結局部活の後、腰が立たなくなるくらいキスされまくって、どろどろに溶けそうなくらい甘やかされた。
部活に進路に宿題に追われ、あっと言う間に夏休みは過ぎ去り、いつの間にか第3体育館のみんなと集まる日の前の日になっていた。私達はメッセージアプリのグループ通話を使い明日の打ち合わせを全員で行っている。
『じゃあ明日は私、大宮駅に蛍を迎えに行ったらいいんだね?』
「よろしくお願いします。」
「俺もいくー!」
『ちゃんとリエーフも連れてくから…』
「他の奴らは池袋駅集合な?」
「9時集合なんで遅れたら置いていきますよ。木兎さん。」
「あかーし置いてかないで!」
「お前が遅れなきゃいいだけだろ。」
「じゃあ僕、新幹線に乗ったらメッセージ送ります。」
『わかった。』
「リエーフ、寝坊すんなよ。」
「俺、美優さん家だから寝坊しな『ちょっリエーフ!』
「「「ああ…」」」
何人かが電話越しでもわかるくらい大げさなため息をする。
「やっぱり…やけに声が被ると思ったら…」
『本当?赤葦。どっちか電話切ろうか?』
「つーか…最初っからどっちかの携帯でいいだろ…」
「無駄な抵抗しなくていいですよ…」
『すいません…』
「じゃあ、それぞれの待ち合わせ場所に時間厳守ってことで。あと、忘れもんすんなよー。」
「「「うーっす」」」
電話を切って少し経つと私のスマホが振動した。
私個人へのメッセージ。誰だろう…
開いて読んだ瞬間赤面する私を見てリエーフが不思議がる。
「美優さん、どうしたんですか?」
『なんでもないよ!ちょっと電話してくる。』
リエーフのいるリビングから離れ、私はお風呂の脱衣所に向かうドアを閉め携帯を操作し、メッセージの主に電話をかけた。