第20章 夏休みは始まったばかり!
「ツッキーにエロいことされそうで怖いんすか?」
『リエーフ…耳…やだ…』
耳元で呟かれると声と一緒に熱い息が耳にかかって恥ずかしい。
「俺ともっとエロいことしたくせに…」
あ、誤解されそうだから言っておきますが、結局あの後、生理が長引きまだ最後までできていません。それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。
2人のスマホが振動し、メッセージの通知音を奏でている。
『リエーフ…ダメだって…』
首筋や頬に音を立てて口付けられながら、ゆるめのトップスの裾からリエーフの指が忍び寄る。
「美優さんってどこ触っても気持ちいいんですもん。ずっと触ってたい。」
抵抗なんてねじ伏せて下着の上から胸を揉む。
『リエーフ…だめ…』
「触るだけ…」
〜〜♪
携帯から今流行りの音楽が流れる。通知音じゃなくて着信音。相手が誰かなんてすぐわかる。念のために画面を確認したらやっぱりクロで2人でため息を吐く。
「無視…じゃだめっすかね…」
『無理じゃない…?クロだし…何回でもかけてくるよ…』
スマホを渡すとリエーフは渋々電話に出た。
「なんすか?黒尾さん。
えー。スピーカー?わかりました…
美優さん…黒尾さん話するって…」
スピーカーに切り替わればスマホの画面からわざとらしいため息。
「メッセージ無視すんなって。大方ヤラシーことしてたんだろうけど…」
『してない!』
電話に向かって噛み付かんばかりの声を上げると、リエーフが「なんでわかったんすか?黒尾さん」なんて余計なことを言う。
『で、何?』
「さっきメッセで話してたらツッキーが学校始まる前なら部活休みになるかもって言ってるんだよなー。」
『あー…そういうことね?私の家だったら部屋あるし止められるよ?』
「ツッキー泊めるんだったら俺も泊まる!」
『リエーフ⁈』
「なぁ美優…相談なんだけどさ…俺らも泊まることって可能か?」
『…は?』
まじか…お客様用の布団の数を頭の中で数える。
『リビングに布団敷けば大丈夫だけど…クロ、蛍、リエーフ、後は木兎と赤葦?』
「そう。泊まれるなら食費は出すし。」
『食費とかいらない。荷物持ち手伝ってくれたら別に…』
「まあ、そこについてはまた後で話しよーぜ!じゃあ後でなー。」
プツン
一方的に電話が切れる。電話だけなのにむちゃくちゃ疲れた…