第20章 夏休みは始まったばかり!
夏休みも中盤に差し掛かった8月某日。本日部活が休みということで、宿題をするためにリエーフが私の家に来ていた。
『あづ…』
「暑いっすねー」
『そりゃあ暑いのに私のこと抱っこしてたらねー。で、宿題は?』
「え?進めてますよ?」
至極当然とばかりに言われ、宿題を見せてもらうと本当に進んでいる。
「朝起きた後、部活までの時間にちゃんとやってますよー!だって部活後だと疲れて寝ちゃうし。」
リエーフ…意外とやる子だこの子。
そんな時、私とリエーフのスマホが同時に鳴る。
2人同時にスマホを見るとグループメッセージが数件。
開いてみると暑苦しいメッセージ達。
黒尾:みんなで集まんねー?暇
木兎:俺ら部活なんだけど!
黒尾:まじかよ。うちの部活の奴らは?
月島:こっちも部活です。
赤葦:だいたい月島宮城県ですよ。すぐに来れるわけないじゃないですか。
リエーフは楽しそうにメッセージを返信。
灰羽:オレ今日は暇じゃないっす。でも休み中集まれたら楽しそうっすよねー。
黒尾:暇じゃねーの?もしかして美優と一緒なんじゃねーの?
なんなんだ…クロ。エスパーか。
美優:クロと違って真面目に勉強してるんです。ギリギリで泣きついてきても知らないよ?
黒尾:俺優秀だからちゃんと計画的にやってるっての。むしろお前はリエーフの心配しろよ。どうせ進んでねーんじゃねーの?
美優:意外と計画的にやってるよリエーフ。
月島:話、それてますけど…
木兎:ツッキー部活休みなのいつ?こっちこねぇ?
黒尾:それいいな!こっちきて遊ぼーぜ!
月島:8月12.13は春高予選なのでその後は…僕だけ移動距離と金額おかしくないですか。
赤葦:確かにそうだよな…
灰羽:ツッキーこねーの?ツッキーきたらおもしれーのに
スマホのメッセージを読み、私はリエーフを話しかけた。
『リエーフ。宮城から東京まで片道1万かかるんだよ?さすがに無理でしょ…』
「まじすか…」
『それに合宿の時みたいになりそうで…』
ふうとため息をつくと、後ろから抱きついていたリエーフが私の喉をくすぐった。