第18章 家に着くまでが合宿です。
「あづー!」
玄関を開け、玄関に入ると上がり框に買い物袋を置いたリエーフが叫ぶ。
『とりあえず中入って?クーラーつけてるから。』
靴を脱ぎ、来客用スリッパを出すと買い物袋から出した「ソレ」を玄関でへばるリエーフの首に押し付けた。
「ゔあっ‼︎」
びくりと肩を跳ねさせるリエーフの手に今しがた首に押し当てたものを乗せた。
「…アイス?」
『暑かったもんね?お疲れ様。』
蓋を開けて吸うタイプのアイス。家に着くまでの外気で溶けて食べやすくなっていればなと思って買ったものだ。気の抜けた顔から嬉しい顔、そして幸せな顔をして笑うリエーフ。
「美優さんありがとうございます!」
自然な流れで頬に唇を寄せるリエーフ。私はというと気持ちが追いつかず、すぐに頬どころか顔全体を赤く染めてしまう。
「美優さん、かーわいっ!」
そういうと再び頬に唇を寄せるリエーフ。
合宿中も遠慮はなかったが、周りに人がいないこの空間では止める人もこちらを見る人もおらずリエーフは好きの気持ちを沢山表現する。
『リエーフ…恥ずかし…』
「可愛い美優さん見たら元気出ました。荷物冷蔵庫に入れますね?」
今のでテンションが復活したらしいリエーフはスリッパを履き、荷物を持ち廊下を進む。その後ろをスリッパの音を立てながら私は追いかけ、リエーフをリビングに案内した。