第18章 家に着くまでが合宿です。
久しぶりの我が家に到着。隣にはいつもよりテンションが上がるリエーフ。森然の調理室で約束したからと押し切られ、今日リエーフにご飯を作ることになった。
合宿の荷物を1度玄関に置くと私の後ろから家の中を覗くリエーフ。
「家、きれいっすねー」
『そう?ちょっと待っててね?』
私は自分の部屋に入り、ミニ金庫から財布を取り出す。さすがに合宿にキャッシュカードを持っていくのは怖い。ってことで、金庫に入れてたんだよね。
『リエーフお待たせ。』
玄関に戻るとリエーフは誰かと電話をしている。
「うん。帰るとき連絡するー。母さんに伝えておいて?アリサ。じゃーねー。」
アリサ…?
お母さんに…ってことはお姉さんか妹…かな?
部屋から出ている私に気づいたリエーフはまるで散歩前の犬のように私が来るのを待ちわびているよう。
『電話…家族?』
「はい!アリサ…ねーちゃんに夕飯いらないって伝えてもらいました。」
あ、お姉さんか…
リエーフの知らなかったことが少し増えていくとなんだか嬉しい。靴を履きリエーフの隣に立つと自然に指が絡まる。
『じゃあ、スーパーいこ?リエーフ何食べたい?』
「んー…おいなりさん食べたいけど…でもこういう時しか食べられないものの方が…」
いつになく悩むリエーフ。いや、これきりってわけじゃないんだしさ…
『じゃあスーパー着くまでに決めてね?』
なんて言いながら私はリエーフの手を引き、歩き出した。