第17章 夏合宿、最終日。
バーベキューの場所に戻ってみればみんなは少しずつ片付けを始めていて私達は慌てて片付けに混ざる。全てが終わった頃には陽の光は色を変え、柔らかな橙に変わっていた。
「じゃーな!リエーフ!」
「次来るときは身長もっと伸びてるといいな!日向。」
「そんなすぐに伸びねーし!」
「じゃあね、月島。」
「ツッキーじゃあな!」
「ちゃーんとブロックの練習しろよー?ツッキー。」
「ツッキーって呼ばないでください…」
それぞれが言葉を紡ぎ合うと帰路が遠い烏野が先にバスに乗り込んだ。みんなと一緒にバスに向かって手を振っていれば、ふいにポケットに入れていた携帯が震える。
不思議に思って携帯を開けば、バスの中のメガネの彼。
蛍:僕、諦めるのはやめにしましたんで。次こそ奪ってみせます。次会うときは覚悟してくださいね
携帯の画面からバスに視線を戻すと絡まる視線。顔を背けたら負けな気がして見つめ合った、
エンジンがかかり帰路へ向かうバス。進みだしたバスから視線を外すと、私は手に握りっぱなしの携帯にメッセージを打ち込んだ。
美優:次会うの楽しみにしてる。今回はイロイロありがとうね?
少しだけ嫌味と覚悟を込めて送ったメッセージ。蛍には届いたのだろうか。