第17章 夏合宿、最終日。
「さてと…」
リエーフは、私を受け取った後床にあぐらをかき、その中に私を座らせた。腰が抜けてしまい抜け出せないのが本当に情けない。
「今回はツッキーに何されちゃったんですか?」
肩に腕が周りぎゅっと抱きしめられる。吐息が首筋に当たると思わず体を震わせる。
『首に…きす、まーく…あと、…きす』
「他は?」
首を横に振るとちゅっと音を立てながら頬に唇が触れる。
「よく言えました。」
『リエーフ…なんかキャラ違う…』
「なんでですか⁉︎俺いっつもこんな感じですけど‼︎」
ぷんぷんと擬音が聞こえそうな怒り方が可愛い。
『ごめんごめん。じゃあそろそろ戻ろっか?』
リエーフに支えられて立ち上がると、少しフラフラする。腰も立つようになったと思ったがまだ足に力が入らないようだ。
「抱っこします?『しません。』
ストレッチの要領で少し体を動かしたら大丈夫そう。
『片付けもあるから戻ろっか?』
「えー。俺美優さんになにもしてない…」
残念そうな顔のリエーフ。
何をする気だった。何を。
でも、先ほどのキスを見られているのに埋め合わせをしないのは気が引ける。
『じゃあ…合宿終わったらご飯食べにうちに来る?』
今回は私からちょっとだけ勇気を出して誘ってみる。少しだけしょぼんとしていたリエーフの顔が瞬く間に輝き出した。
「マジすか!やった!じゃあ戻りましょ!」
リエーフは私の手を引いて体育館の方へ向かいだす。
『テンション上がんのはいいけどゆっくりっ!』
自然と早足になっているリエーフをたしなめると、リエーフは思い出したように苦笑いをすると、私の歩幅に合わせてゆっくり、ゆっくり一緒に歩いた。