第17章 夏合宿、最終日。
お肉の後はデザートの時間。バーベキューの準備の前に切っておいたスイカを他のマネージャー達と配る。さっきまで肉を喰らっていたとは思えないスピードでスイカもなくなっていく。私がお盆に乗せて配ったスイカもほぼ一瞬で無くなった。
他のマネージャーから空いたお盆をもらい、ささっと洗った後ちょうど近くにいた清水ちゃんに声をかける。
『お盆置きにいくついでにトイレ行ってくるね?』
「わかった。」
数枚のお盆を持ち体育館の入り口から中に入ると校舎の中に進む。夏休みなだけあって校舎内はシンと静まり返っている。調理室に進むにつれ、バレー部員の騒ぐ声が遠くに聞こえる。
その代わり聞こえるのはバレーシューズがキュッキュッと床を鳴らす音。
歩いてくるのは多分1人。
リエーフはけんまとしょーよーと一緒にスイカ食べてたし…
ってことは誰だ…?
私は気づかないふりをしてそのまま進む。
調理室を開け、中に入る。調理準備室に入ると足音の主が開け放したままにしていた調理室の入り口が閉まる音がした。
やば。退路なくした。
お盆を指定の場所に片付けた後、開けておいた準備室の入り口からそっと調理室を見る。
「美優さん、なにしてるんですか。」
声は以外と近くから聞こえた。