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あいつはねこまのわんこ系少年【HQ】

第17章 夏合宿、最終日。



そんなクロを尻目に翔陽とリエーフは一度はみんなが必ず考える言葉をポンと口に出す。

「じゃあ」
「「それを倒せば日本一ですか?」」

日本一。目標はどこまでも上なんだね。
それを聞いたクロは2人にむかってにやり顔をして言い放った。

「言うねぇ。下手くそトップ2‼︎」
「日向が1位か!」
「研磨がサーブもレシーブも俺の方がうまいって言ってた!」
『どっちもどっち!特にリエーフ!レシーブもっと上手くなりなよ?スパイク上手くても試合で使うのは圧倒的にレシーブなんだから。』
「だってスパイクってかっこいーじゃないですか。」
『バレーって”繋ぐ”競技なんだから攻撃だけできてもしょうがないの。そんなこと言うんだったらもうお弁当つくってあげないんだから。』
「それはいやっす!でも…やる気が出るように、ご褒美欲しいです!」
『…いやな予感しかしない。今日帰ってから話だけ聞くから。』
「やった!」

そんな話を聞いていたらしいクロは蛍に突っかかりにいく。

「あれあれ?ツッキー。美優チャンにかまってもらえないからヤキモチ?」
「やきもちー?」
「お二人には関係ありませんから。」

そういうとお茶のペットボトルを持って蛍がこちらに近づいて来た。

「美優さんこれ欲しいんデショ?」
『よくわかったね?蛍。』

渡されたペットボトルを受け取り首を傾げると、蛍は伏し目がちになり空いた手で頭を掻きながらぽそりと呟いた。

「一応、見てますから…美優さんのこと。どうぞ。」
『…ありがとう。』

どうした蛍!デレ期が来たか⁈可愛い‼︎
私はお茶のペットボトルを受け取ると、蛍をじっと見つめる。

『蛍が優しいと後から何かありそうで怖い…』
「それは何かあって欲しいっていう期待と取りますよ?」

口元を覆いこちらに視線を送り呟く蛍に私は何も言えなくなる。

『そんなこと…ないもんっ』

やっと紡ぎだした言葉は駄々をこねた子供のようでそれを聞いた蛍はにやりと笑った。
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