第17章 夏合宿、最終日。
猫又監督の号令から始まったバーベキュー。さすが体育会系男子が集まっただけある。肉って飲み物?って思うくらいすぐに網からなくなっていく。
肉は人を狂わせる。
『君たちはお肉争奪戦いかないの?』
そう声をかけるとけんまと蛍はため息をつき遠い目をする。
「面倒…」
「同感です。よくあんなに食べれますね。」
『まぁたしかに。』
お腹は空いたからいろんなところからお肉や野菜をちょこちょこいただいて体育館の端に避難するとやっぱりいたのはけんまと蛍。
蛍の隣にいる山口くんはもりもり食べてるのに。
だからもやしなんだぞ。蛍。
一休みのために蛍の隣に座ると、目線の先にはぐるぐると回りながら他人を威嚇する烏野のリベロくんと坊主くん。あとは山本。
『何あれ…』
「"清水先輩を見守る会"の活動です。近づくものには制裁を!だそうですよ?」
『山口くんありがと…清水ちゃんも大変だね…』
なんて3人で話をしているといつの間にか周りに人が集まってくる。
「月島もっと食べなさいよー!」
澤村くんが持ってきた皿にはおにぎりとお肉がこんもり。
「いや…僕はこんなには…」
『頑張れ蛍。少しは肉つけな?』
「無駄な肉ぶら下げてる美優さんに言われたくない。」
『煩い』
この数秒後、私は蛍をからかったことを後悔した。
「オラー野菜も食えよー!」
クロが程よく焼けた野菜をお皿にこんもり乗っけてやってくる。
「研磨と美優もだコラー。」とクロ。
「米を食えよ!」と澤村くん。
「肉だろ‼︎肉を食え‼︎」と木兎。
みんなはそれぞれなんだかんだ言いながら私、蛍、けんまに次々に肉やら野菜がのった皿を押し付けていく主将達。
けんまは必死に首を振って抵抗、蛍は嫌な顔して主将3人組を見ている。
私?うん、無理。もう入んない。
それでも意地でもお皿を受け取らせようと頑張る主将達に根負けしてお皿を受け取ると満足したかのように3人は散り散りに散っていった。