第16章 合宿 Last Night
トントンッ。外側から扉を叩く音がする。
「やっべ。誰だよ…」
クロがそう呟きながら部屋の入り口に向かう。
「その格好で見つかったらやばいから月島、早く降りてあげて。」
赤葦の声がけで蛍が私から降りる。私もリエーフから退こうとするが腕は離れない。
『リエーフ腕どけて。』
小声で促すけどリエーフが腕を退ける様子はない。それどころか口元に人差し指を当てまるで「静かにしろ」と言わんばかりのポーズ。クロがドアを開ける音がしたのでわたしは急いでリエーフの胸に頭を置き寝たふりをした。
「あ、烏野のコーチじゃないっすか。どうしたんすか?」
「一応見回りってやつだ。何してんだか知らねーが明日で合宿終わりなんだから早く寝ろよー。」
「ういーっす。そろそろ部屋戻ります。」
パタンと音がなり、扉が閉じる。
「焦ったー。」と木兎。
それを聞き、赤葦。
「厳しめの人じゃなくてよかったですね。」
「じゃあ解散すっか。あとでこのメンバーでメッセージアプリでグループ作ろうぜー。」
「おー!じゃあおやすみー!いくぞ。あかーし。」
「じゃあまた明日。」
「じゃあ…」
「お休みなさい!」
そう言いみんなは自分達の布団に帰っていく。私もみんなの後ろを追い、部屋に向かった。