第16章 合宿 Last Night
side灰羽
「僕、欲しいものは何が何でも手に入れたい……だから美優さん、僕に頂戴?」
目の前には顔を真っ赤にして刺激に耐える美優さん。
喉元には指が這い、耳には舌が這う。
俺じゃない指が、舌が
目の前で美優さんに触れている。
頂戴?
なんで?
俺が必死に捕まえたんだ。
やっと、やっと俺のものになったんだ。
俺は狙いを定めた烏の眼を見据え、言った。
「誰にも渡さない。美優さんは、俺のだ。」
俺は美優さんを抱く力を強め、自分に引き寄せる。
「美優さん…好きですよ?」
くすぐられた耳に唇を寄せると確認するように俺はそう、口に出していた。