第16章 合宿 Last Night
クロと木兎が蛍をかまう様を傍観していると、とんとんと肩が叩かれる。そちらを振り向くとぷにっと頬に指が刺さった。指をたどるとにやり、笑うリエーフ。
「美優さん引っかかりましたね?」
『リエーフ…やったな?』
腕を伸ばしリエーフの頬をつかもうとするがすかさず腕を掴まれる。そのまま体重をかけるとリエーフはバランスを崩し倒れる。好機とばかりに仰向けに崩れたリエーフの上に乗り、頬に手を伸ばすがリエーフは私の腕を掴み、抵抗する。
『ちょっとっ!抵抗しないの!』
「嫌ですっ!」
『なんでよ!リエーフが先にやったんだから仕返し!』
ばたばたと2人でじゃれ合っているといつの間にか向こうで騒いでいたみんなが静かにこちらを見ていた。
生暖かーい目で…
あ、生温かい目で見てるのはクロと木兎、赤葦と蛍はなんとも言えない顔で見てる。
「あ、こっちは気にせず続けてください。」
『続けられるわけないじゃん…赤葦。』
「スキあり!」
『うひゃっ‼︎』
リエーフは私の手を掴む力を緩め、バランスを崩した私をぎゅっと抱きしめた。
「捕まえた。」
私を抱きしめるリエーフの顔は子供っぽいようで少し色っぽい。
みんなに見られてるこの状況でよくこんなことができるな…なんて思ったけど、まぁリエーフだししょうがないか。なんて思ってしまう。
なんだかんだで私、リエーフには甘々だなぁ。