第16章 合宿 Last Night
連れてこられたのは、8畳程度の畳の部屋。
『なに…ここ。』
「部長会議してた部屋。」と、木兎。
「らしいです。」と、赤葦。
「ここだったら邪魔も入んねーかなーってな?」と、クロ。
上履きを脱いで中に入っていくみんなについて私も中に入る。すると、後ろから大きな塊が突進してきた。
「俺、美優さんの隣!」
『はいはい、リエーフ。で、なに話すの?』
とりあえず私はリエーフと蛍の間に座る。
クロが話し出したのはとても現実的な話で…
「あー、お前ら進路決まってる?」
『あー、急に真面目になったねー。私は調理師の専門学校行くつもり。夏休み明けたら受験一色。クロは?』
「俺は大学でもバレーしたいし…つーか俺、体育の先生になりてーの。推薦で体育大学行くつもり。」
クロの言葉を聞いた蛍が眉をひそめる。
「黒尾さんが先生…?犯罪の匂いが…」
「ツッキーひどい。俺真面目よ?で、ツッキーは」
「ツッキーって呼ぶのやめてください。僕は具体的には決まってないですけど四大志望です。赤葦さんは?」
「俺はとりあえず四大いって就職かなぁ。特にやりたいことないし。無難に行くよ。木兎さんは?」
「俺、実業団からスカウトきてるからそこだなー。バレーやりたいし。」
どんどんみんなの将来が語られていく。
『やっぱり具体的なのは3年生くらいかー。リエーフは?』
「とりあえず俺も四大っすかねー。家近いところで通えるならどこでも。」
『高校って長いようであっという間だよねー。』
なんだかんだで過ごしてきた3年間。いろいろあったけど楽しかった。
「僕と灰羽はあと2年あるんですが…」
『3年になって振り返ったらあっという間に感じるから。きっと。』
そう、私が今感じているように。