第1章 わんことの出会い。
ある程度ひっついていたら満足したのか、リエーフは私から離れていった。リエーフが離れていくと先ほどまで腕の中に包まれ暖かかった体が少しずつ春風に冷やされていく。
…寂しくて少し物足りない。
なんて思ってしまったのは絶対、内緒。きっとリエーフが調子乗るから。
結局あのあと、連絡先の交換をして駅でリエーフと別れた。
メッセージアプリのアイコンを開くと新しく登録されたリエーフの名前。帰る電車の中、スマホの画面を見つめながら私はこれから起こる日常に少しだけ胸をときめかせたのだった。