第14章 夏合宿4日目、夜。
後ろを振り返るとニヤニヤした蛍。
しょーよーは顔真っ赤。
赤葦は…表情変わらず。表情筋動いてる?
「美優さん痴女『違う蛍。クロにやられた。』
「は?」
普通そう言う反応になるよね…赤葦。
『洗濯物運んでて手が使えない時に後ろから来て外してった…』
「阿呆なんですか?あの人。」
呆れた顔をして赤葦がつぶやく。
『赤葦…クロに言ってやって。』
「美優さんただでさえデカくて揺れるんだからさっさと隠してきなよ。」
「デカっ‼︎揺れっ‼︎」
『翔陽は落ち着きなさいよ。』
私はため息をつき、ドリンクを作るついでに直してこようかとボトルを持ち、入り口に向かった。
「おーやってるかー?」
「ヘイヘイヘーイ!あかーしー!これやるっ!」
主将会議が終わったのかクロと木兎が体育館に入ってくる。
木兎、主将会議でもらった資料赤葦に渡すんじゃないよ…仮にも部長でしょ…入ってきたクロを見るみんなの視線が強い。
「…なんだよ。」
「黒尾さん最低ですね。」
「小学生でもしませんよ?」
「赤葦、ツッキー…何が?」
「おっ…おっ…おっ…おっ…」
『翔陽が壊れた』
「美優さんの下着のホック外したんでしょう?」
「はあ⁈なんでツッキーが知って…」
クロが何かに気づいたようでこっちを見てる。
『クソ尾こっちみんな。』
「なあ…美優チャン?」
『近づいてくるな!万年発情期。』
ジリジリと間合いを詰められ私は後退する。
入り口側に後退したはずなのに、私は壁にぶつかった。
やけにあったかい壁だなって思って振り返るといつの間にか練習を終えて…いや、サボってきたと思われるリエーフがいた。
「美優さん!どうしたんで…あれ?下着外れてますよ?」
失礼しまーす。とリエーフはTシャツの隙間から手を入れ、ホックを戻した。
え、戻した?
いや、戻してくれるのはありがたい。
でも人前…
目の前男子。
みんな見てる。
その事実を認識すると私の顔は一気に真っ赤になる。
「直りましたよ?……ぅえ⁈美優さん顔真っ赤⁈」
『……ふの』
「え?」
『リエーフのばかぁぁあ!』
体育館には頬を叩く良い音が響き渡った。