第13章 夏合宿4日目。
調理室を一通り見ると私は自分の鞄と財布、携帯を取りに部屋に戻り昇降口に急いだ。
『お待たせしましたーってぅええ⁈』
「お前なんつー声出してんだ!仮にも女子だろ!」
『仮ってなんですか!ちゃんと女子です!……ってかなんでいるんですか…そいつ……』
そう、私が変な声を出した理由…
なぜか繋心さんの横には今朝、笑顔で話(?)をした蛍がいたからだった。
「あー、こいつ?荷物持ち。」
「どーも。」
『…どーも』
「じゃあ行くぞー。」
けーしんさんは車の鍵を人差し指で回しながら先に進む。残された私と蛍は後ろを追いかける。
『つーかなんでいるのよ。蛍。』
「烏養カントクに頼まれたんですよ。ちょうど休憩してたのがうるさい人ばっかりで…」
『メンバーは?』
「田中さん、西谷さん、日向、影山だったかな?」
『ああ…それは無理だわ。私でも蛍に頼む。』
「デショ?」
「ほら乗れー」
私と蛍は車の後部座席に座る。
「乗ったな。シートベルトしろよ。ほら行くぞー」
私達は急遽決まったドライブに出発したのだった。