第11章 月夜に啼く烏の声は
そのまま私は蛍に背を向けたまま両手を束ねられ壁に押し付けられる。
『蛍!やめて!』
Tシャツが捲り上げられ下着のホックが外される。
『嫌だ!やだっ!』
必死に体をよじって抵抗するが背中にちくりと痛みが走る。
吸い付かれたと気づいた頃には唇はどんどん下に下がる。
空いた手はやわやわと胸を刺激する。
唇を噛んで耐える。
嫌だ
嫌だ
でも耐えれば耐えるほど行為は進む。
ハーフパンツの隙間からするりと長い指が進入してきたのに気づけば身体が恐怖で跳ねる。
『や…』
体を硬くするけれど侵入した指は動きをやめない。
「抵抗なんて無意味ですよ…」
下着越しに動く指は不快でしかない。下着の上を弄っていた指は、隙間からゆっくりと肌を撫でていく。
私は咄嗟に呟いた。
『りえ…ふ』
頭に浮かんだ、助けを願う名前を。