第10章 夏合宿3日目。
時間ぎりぎりに駆け込んだ私達は食堂のおばちゃんに怒られながらも食事を頼む。
『うぇ…あんたらどんだけ食べるのよ…』
私が席に着くと机には大量の食事が置かれている。
体力馬鹿の3人…木兎、翔陽、リエーフは軽く3人前ありそうな食事をもりもり食べている。
「他校の2人はいいとして日向はこれだけ食べても身長これって…どこに栄養行ってるんだか…」
ため息まじりに蛍が呟くと翔陽が蛍に突っかかる。
「なにおー!」
『翔陽、ご飯くらい静かに食べて。』
翔陽は蛍に怒りをあらわにしながらも大量の食事を口に運んでいる。その姿はリスのようだ。
「月島と美優さんは食べなさすぎっすよ!」
『リエーフは食べ過ぎ、蛍は食べなさすぎ。』
「だから先輩身長がそれしかないんですね?残念ですね。」
蛍は口元を押さえニヤリと笑う。
『蛍は食べないからそんなにひょろひょろなんですねー。もやし野郎。』
「それだけ小さかったら隣のデカい彼氏と付き合うのも大変ですね。身長差どれだけあるんですか、チビ。」
『それ、あんた地雷踏んでると思うんだけど。巨人…今なんて言った?』
「耳も悪くなりましたか?隣のデカい彼氏と付き合うのも大変ですねって言ったんです。」
隣…私の隣は相変わらずリエーフ。隣を見るとリエーフはニコニコ笑いながらご飯を食べている。なんだか気恥ずかしくなり私は無言でパスタを啜った。
「あんなにベッタベタしてるのにまだ照れるんですか…」
蛍は呆れたような声で呟くとサイドメニューのサラダを食べる。
うう…反論できない…