第9章 追いかけっこ。
体育館や食堂など、どこを探してもリエーフがいない。
誰に聞いても、体育館で見かけたのが最後…ってキーワードしかもらえない。さすがにお風呂とトイレは入れないから探せてないけど…
なんかここまでいないとムカついてきた。避けられてる、のかな。
まぁ、午前は私が逃げてたけどさ…
さて、どうやったら出てくるかな…
なんて悩みながら廊下を歩いていれば、背後から人の気配。
夜の学校なんてホラー要素しかないがバレーシューズのきゅっきゅっという音が微かに聞こえるので足はあるようだ。
予感がした。あれはリエーフ。逃げ回るより背後についた方がばったり遭遇することはないもんね。
でもそれは逆効果。私は背後の人物から逃げるように廊下を走り出す。
すると後ろの人も走って付いてくる音が聞こえた。
階段を降りるときに横目で見えたのは窓ガラスに映る特徴的な髪の色。罠にかかる後輩に思わずほくそ笑む。
よし、このままついてこい!
そう思いながら階段を2段飛ばしで駆けおりる。
そうして奇妙な夜の学校の追いかけっこが始まった。
私は追いつかれないように走る。
向こうは見失わないように追いかける。
確かこっちには…
ある場所に誘導するように走る。
角を曲がり教室に潜り込む。
後ろを追っていた人も教室に入ってきたことを確認すると入り口に潜んでいた私は一気に扉を閉めて鍵をかけた。
『やっと捕まえた…リエーフ。』