第9章 追いかけっこ。
リエーフ…どこだろ…
体育館巡ったらいるかな?なんて思い、食堂から1番近い第3体育館に入る。
『ねえ、リエーフいる?』
そう声をかければ体育館にいたクロと木兎、赤葦がこちらを向いた。心配そうな視線がこちらに伸びる。
「お、美優。体調どうだ?」
クロ…
あんなことあったからちょっと怖い…
でもクロは友達だし大丈夫…
そう気持ちを作ると、私はクロには極力いつも通り話しかけた。
『大丈夫!しっかり寝たしご飯も食べた。…で、リエーフは?』
「今日はこっちじゃねーよ?夜久とレシーブ練じゃね?」
『わかった。ありがと。』
そう言い外に出ようとするとクロに名前を呼ばれる。振り向けば、寂しそうな顔のクロ。
「腹、括ったのか?」
『その言い方だとなんか私リエーフに殴られにでも行くみたい。』
「確かに。」
私達は顔を見合わせて笑う。よかった。ちゃんといつも通り喋れてる。
「決めたのか?」
『うん。行ってくる。』
私は体育館にいる他の2人に挨拶をすると笑顔で体育館を飛び出した。