第1章 わんことの出会い。
…………え?
こいつ何言ってんの?
外人だから?
キスが挨拶…?とか。
っていうかロシアの挨拶ってキスするっけ?
何が言われたのかわからなくなりパニックになっていた私の頭。
私を見ながらにかりと笑うリエーフに、私ははあ、と息を吐く。
『そういうことは彼女に言いなさいよ…』
ため息をつきながら答えるとリエーフは再度不思議そうな顔をして首を傾げた。
「え?好きな人に言うのもダメですか?」
『だから、そういう意味じゃなくて…好きでもない私なんかじゃなくてリエーフが好きになった子に言いなさいよ…」
そういう私をリエーフはじっと見つめる。
そしてハッと何かに気づくと頬を膨らませ怒ったような駄々をこねたような声で言った。
「だーかーらー!俺、好きな人に言ってるんですけど!」