第5章 マネージャー
「あっああん!...もっ、ダメ...涼太君...んっあ」
「イっていいっスよ」
ずっと溢れ続けている愛液が、彼の指の動きを助けて、黄瀬君の指がもっと激しく動く。
もう...ダメ...イっちゃう。
「ああんっ...うっんっ、あっんんーっ!!」
黄瀬君にしがみ付いていた腕がだらんと滑り落ち、身体中の力が抜ける。
「ハァ、ハァ...」
「イき顔、可愛いっスね」
「ハァハァ...もぅ、やめてよ...」
どうして...そんな恥ずかしいことしか言わないの...。
余裕だらけの黄瀬君に、脱力しきった声で答える。
そういえば黄瀬君、ナカに入れる素振りなんて、一度も見せなかった。
...気遣ってくれたのかな、私のこと。
虚ろな目で彼を見ると、私を触っていた指を、舐めていた。
「なっ!?きっ、黄瀬君、やめてっ!ちょっと!!」
急いで、彼が舐めている手を取った。
「なんスか、柚子っち?あ、今、黄瀬君って言った?ダメっスよ。"涼太"って呼んで」
なんスかって...わかってて言ってるでしょ、黄瀬君。
あ、涼太君。
「涼太君...」
「あー、やっぱイイっスね、そのヒビキ!喘ぎながら、"涼太君"って言われた時は、ホントやばかったっスよ、オレのムスコ」
"涼太君"ってところを裏声で私のマネをして言った。
...私、そんなんだったかな...。
いや、それより、その内容だよ。
今頃、最中の自分の声を思い出して、恥ずかしくなる。
「あはははっ!真っ赤っスよ、柚子っち!可愛い」
ちゅっ。
突然のキス。
目を開けたまま固まってしまった。
「じゃ、オレ、シャワー浴びてくるっス。寛いで待ってて」
「あ、うん」
涼太君がいなくなって、パタンと寂しく扉がしまった。