第2章 モドル
その太陽のようにキラキラ光る笑顔は、何よりもキレイだった。
私は、黄瀬君の本当の彼女になれたんだ。
今までの、偽りのものじゃない。
黄瀬君は私を大切にしてくれてる。私への対応の仕方でわかる。今までとは全然違う。
私を...想ってくれてる。
「黄瀬君...このまま午後の授業サボって、私と一緒にいてくれる...?」
まだ、黄瀬君と一緒にいたい。
「いいっスよ!オレ、あんま優しくないから何するかわかんないスけど...それでもいいなら...」
「え!?」
黄瀬君が不敵に笑う。
そんな顔ですら、愛しいと思ってしまう。
頭をそっと黄瀬君の肩に預けた。
その頭の上に、黄瀬君の頭が乗っかる。
その重さが心地いい。
午後の温かさが私たちを包む。
...この時期は、少しだけ暑い。
こんなにも幸せな時間があるなんて、知らなかった。
黄瀬君、本当に私を好きになってくれて、ありがとう。
幸せな時間の中の遠くで、予鈴が聞こえた。
「今ならまだ...戻れるっスよ?オレ、またキスしちゃうっスよ?舌、入れちゃうかもっスよ?いいんスか?」
「ふふふ...。?いっぱい...。いいよ、しても...大好きだから...。でも、初めてだから、ゆっくり、お願い...」
甘い時間。
こんな幸せなの初めて...。
それもきっと、相手が黄瀬君だから......。
「もしかして、普通のキスもハジメテだったスか?」
そのハジメテっていう言葉が恥ずかしくて、でも、嬉しくて、コクンと頷いてみせた。
「そうだったんスか。...あいつらにされてなくてよかったっス。オレでよかった...。オレもハジメテなんスよ?キス自体がってことじゃないスけど...気持ち的な問題ってことで...」
私はそっと、その引き締まった、逞しい躯に腕を回して、ギュッと力を込めた。