【イケメン戦国】 色に出りけりわが恋は <R18>
第1章 ~恋心~
砂浜で走り、海に入ってはしゃぎ、二人は思う存分海を満喫し、気が付けば太陽が傾きかけている。
遊び疲れた二人はまた馬に揺られて、城へと向かっていた。
佐助「なおさん」
背中越しに声を掛ける。
「うん、大丈夫」
佐助の腰に回した腕に、少しだけ力を込める。
「すごく楽しかったね。・・・また来たいな」
佐助「俺も楽しかった。なおさんの斬新な水着姿も見られたし、それに・・・」
「・・・?」
佐助「それに、おにぎり、とてもおいしかった。ありがとう」
「いっぱい運動したからおいしかったんだよ。それに、佐助君の好きな具だったしね」
なおの額が僅かに佐助の背中にぶつかる。
佐助「なおさん、ちょっとごめん」
馬を止めると、佐助が降りてしまう。
「佐助君?」
佐助「なおさん、こっち」
座る位置を前にさせると、再び佐助が馬に跨る。
佐助「眠ってしまって構わないから」
後ろから伸ばされた腕が、なおの前で手綱を握る。
胸が破裂しそうな程ドキドキするのに、温かくて、安心して、その心地よさになおの目がだんだんと閉じていく。
「ありがとう」
小さな声が唇からこぼれる。
胸に寄り掛かるなおを、腕で囲むようにしながら手綱を捌く。
肩ごしにそっと顔を伺うと、それはまるで子供のようにあどけない表情だった。
佐助「なおさん」
その甘やかな声は、なおの耳には届かない。
風に揺れる長い髪が、佐助の心に絡み付く。