【イケメン戦国】 色に出りけりわが恋は <R18>
第1章 ~恋心~
佐助「なおさん、こっち」
手招きする佐助に駆け寄る。
「おはよう、佐助君!」
佐助「おはよう」
佐助の笑顔に胸がまた音を立てる。こんな事でいちいち反応していては、動揺しているのがバレてしまう。
佐助「行こうか」
馬上から佐助が手を伸ばす。
その腕に引き上げられ、なおもその背に乗る。
佐助「しっかり掴まってて」
そっと腕を佐助の腰に巻き付けると、
「お願いします」
佐助「では、出陣」
二人は海を目指して進む。
湯治のような目的で海に入ることはあるらしいが、この時代には海水浴という概念がないそうで、そこは交易や漁が行われる場所であったが、
「海だーー!」
そこは紛う方なく海であり、馬から降りるとなおは波に向かって駆け出した。
佐助「なおさん、気を付けて」
馬の荷を下ろしながら、なおの背中に向かって声を掛ける。
「佐助君も早くー!」
着物の裾を持ち、波打ち際で手招きをする姿に、佐助は目を細めた。
ゴザを敷き、天幕を利用した日陰を作ると、二人は腰を下ろす。
「佐助君はこれ」
なおから手渡され、水着を目の前で広げる。
佐助「すごい」
「伸縮性のある布が無いのが辛かった・・・」
なおは苦笑すると、自分用の水着も広げて見せる。
佐助「上はさらしで代用か、考えたね」
立ち上がると、忍装束を脱ぎ始める。
佐助「いいって言うまで、こっち見ないでね」
「佐助君、それ、私の台詞」
背中合わせで二人が笑い合う。