【イケメン戦国】 色に出りけりわが恋は <R18>
第4章 ~情交~
目的の店にたどり着くと、戸を叩く。
中から出てきた、人のよさそうな店主に、
「信玄様からの使いで参りました」
言いつけ通り、一通の文を差し出す。
店主「ええ、ええ。聞いております」
にこやかに笑いかける店主。
抱えて来た風呂敷包みを手渡すと、
店主「確かに」
受け取ると、大きく戸を開き直し、
店主「どうぞ、おあがりください」
「え・・・?」
中へと招き入れる。
店主「ささ、どうぞ」
佐助「なおさん、ここって・・・」
「???」
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奥の部屋に通され、静まり返った空間で二人が向かい合い腰を下ろす。
佐助「信玄様は、何て言ってたの」
「届け物をしてほしいとだけ・・・」
店主に手渡した風呂敷包みは、この部屋に置かれたまま。
佐助「中身、なんだろう」
佐助が開いてみると、
「え・・・」
佐助「なるほど」
苦笑した。
「城に帰ったら、信玄様がなおさんを迎えに行くようにって、傘を手渡してきて」
開け放った障子から外を眺める二人。
優しく降り続く雨が、庭の草木を揺らしている。
佐助「謙信様に見つかる前に早くって。今夜も宴、だったのかな」
呆れたような笑顔でなおを見る。
「だったとしても、断れないもんね」
なおも笑う。
“仕事の付き合い”は大事なのだ、男の職場では。
「大変なお仕事だってわかってるし、特殊な状況だし、だから、私を優先してほしいだなんて思ってない」
そう割り切っていたつもりだった。
「その分、どんなに短くても、二人でいられるときは沢山甘えたいし、甘えて欲しいな・・・」
いつまでも降り注ぐ雨に、つい感傷的になる。
思わずそう口にし、佐助を見上げると、
佐助「なおさん」
大きな手で、優しく肩を抱き寄せる。
佐助「もっとわがままでもいいのに」
どこまでもあたたかく優しい彼女を、強く激しく求めたい衝動に駆られる。
佐助「もっと欲しがっていいのに」
俺だって、もうなおさんが、なおさんの全てが欲しくて仕方がないのに。
熱い唇が、なおの唇を塞ぐ。